思考を歪めるバイアスの種類4選
あなたはバイアスによって間違った意思決定を知らぬ間にしていませんか。
バイアスとは「先入観」「偏見」などの人や物の偏った見方の事です。
バイアスの例
「熊は恐ろしい」は社会通念上の固定観念はステレオタイプと呼ばれ、それに感情や行動、評価等が加わった物をバイアスと呼びます。
「熊は恐ろしい」・・・ステレオタイプ
「熊は恐ろしいから逃げる」・・・バイアス
そもそも熊が恐ろしいからといって襲ってくるかどうかは、その熊の個体によります。
大人しい熊かも知れませんし、凶暴な熊かも知れません。
しかし、熊に出会ってから大人しいか凶暴かを判断している悠長な時間はありません。
人間の本来の機能である生存本能から逃げるという選択を瞬時に判断して行動してきた歴史があります。それがときには障害となって非合理的な意思決定が発生する事態になってしまいます。
■バイアスの種類
ビジネスや日常生活の意思決定に影響しそうな代表的なバイアスをまとめてみました。
・確証バイアス
先入観や自分が考えた仮説立証が正しいかそれを重要視してしまうバイアスです。
例えばあなたが面接官だったとします。面接に来た人の第一印象が良かった場合はそのひとを採用する理由を、逆に悪かった場合は不採用の理由を無意識のうちに探し始めます。
また物を購入するときも同じです。見た目が気に入った物があれば、それを買う理由を探し始めます。それと同時に悪い点を隠そうとしたり、軽視する傾向があります。やっぱり自分の直感は正しかったと思いたいというバイアスにかかってしまいます。
・権威バイアス
ニュースで医師が感染症の対策についてコメントをしていると、なんの疑いもなく信じてしまうことはないでしょうか。人にその聞いた対策を話すときも医師の方が言っていたというと話した相手も納得するということはなかったでしょうか。
これは医師という肩書を無意識のうちに信頼するというバイアスにかかっている状態です。
健康食品やサプリなどエビデンスが不十分な物ほど気をつけなければなりません。
・正常性バイアス
正常の範囲内だと思い込もうとする心理現象です。
慌てないように心の安定を保つために必要なバイアスですが、時には間違った判断をするバイアスです。よく言われるのが、火災報知器が鳴った時の行動です。
火災報知器が外出先で鳴った場合、あなたはどのように行動するでしょうか。
私は誤作動かなと思います。なにか異変に気付くまでか、指示の放送があるまでしばらく待機するかもしれません。
外出先で周りにたくさん人がいる状況だと、自分ひとりだけでは、避難しにくいですよね。さらに周りが避難していないと大丈夫かもという心理になります。
これが同調性バイアスです。
また同化性バイアスというものもあり、これは周りの状況が少しづつ変化していると危険に気づきにくいというものです。例えば火事なんかでいうと、なんか変な匂いがするなとか熱くなってきたとかですかね。
緊急を要する災害だった場合、手遅れになるかも知れません。その前に勇気を出して自ら状況把握に努めたほうが、逃げ遅れるということを避けられます。
正常性バイアスは都合の悪い情報を無視することや軽視する方向にも働きます。
これは私にも身に覚えがあって、例えばデザインが気に入った服のサイズがちょっと小さいなと薄々感じていながらも購入して、家に帰って再度試着するとやっぱりサイズがキツイかったとなり、あまり着なくなった経験があります、、、
サイズが小さいという欠点を軽視した結果、無駄遣いしてしまった例ですね。
・希少性バイアス
手に入りにくいという物に魅力を感じるバイアスです。限定商品とかがそれに当てはまります。
コンビニに行った時、新発売されている期間限定商品を買ったことはないでしょうか。この季節にしか販売されないのでついつい手を伸ばしてしまいがちです。
また学校でアイドル級のかわいい子が特に魅力的に感じるのは希少性バイアスが働いているからかも知れません。冷静に見る目を持っておかないと痛い目を見そうです。
希少性バイアスは手に入れるために苦労した分だけ重要だと錯覚することにも言えます。
登山する時、ケーブルカーで登るのと歩いて登るのでは見える景色は同じなのに、歩いて登ったほうが絶景に感じると思います。達成感もあるかも知れませんが、苦労して登った分、絶景だろうと感じてしまうものです。
以上、バイアスについてまとめてみました。
みなさんは思い当たるバイアスがありましたか。
その判断はバイアスが掛かっていないかよく考えて行動すると間違った意思決定を未然に防ぐことができるかも知れません。
■参考URL
バイアスとは|意味と種類【データ分析時の注意点まで解説】 | 株式会社サイカ
https://xica.net/xicaron/bias/
神戸市 正常性バイアス
kobe-disaster-prevention-leader-text-chapter5.pdf